皆さん、一度は通称「モンスタークライアント」と呼ばれる、いわゆるやりづらいお客様に出くわしたことはありませんか?
筆者は何度かあります。
今回はそんな「モンスタークライアント」の特徴や、出くわしてしまった際の対処法をお伝えいたします。
モンスタークライアントとは?
モンスタークライアントとは? モンスタークライアントとは、デザイン・ウェブ業界でよく問題となる存在であり、会社に対し足元をみて無理難題な要求をしてきたり、こちらの都合を考えずに自己中心的な言動を繰り返すクライアントをいいます。
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いわゆる、「クレーマー気質」なクライアントの事ですね。
もちろん、お互いのボタンの掛け違い、認識の齟齬、こちらのヒアリング能力不足など、一概にクライアントがすべて悪い!と言える訳ではありません。
対処法次第ではモンスタークライアントとも良好な関係を築いていける可能性もありますが、実際には難しく、なるべく「関わらない」事が一番の対処法となっています。
モンスタークライアントの具体的な特徴
- 無理難題を要求してくる
- こだわりが強すぎる
- 作業量に見合う対価を払おうとしない
- こちらの都合も無視でいつでも連絡してくる
- 「後だし」の要求が多い・当然の仕様変更
- 高圧的な態度やハラスメント行為をしてくる
上記のように、常識に反する行為をしてくるのがモンスタークライアントの特徴です。
最悪の場合、唐突な発注キャンセル、連絡が途絶える、訴訟を匂わせた脅し、金銭を支払わない、等を行うモンスタークライアントも存在するようです。
モンスタークライアントのタイプ
モンスタークライアントと言っても様々な人間が存在します。
1.理想が高すぎる&こだわりが強すぎるモンスタークライアント
低予算なのに、求めるものは一級品。
サイゼリヤに行って、高級イタリアンを求めるのはお門違いですよね?(例として挙げました、サイゼリヤは超おいしいですサイコー!)
一般的な方であれば、"金額に品質が見合っているか"も評価基準の1つとしますが、モンスタークライアントの場合は"自分が気に入るかどうか"がほとんどを占めるように思います。
また、単純にその分野の知識が乏しくとてもメジャーな物を想像してしまっている場合もあります。
例えば、比較的低予算のWebCMの制作依頼で、こんなCMを作って!(誰もが知っている莫大な予算をかけて作られたテレビCM)と要求。
↑「え、何が駄目なの?」とこの時点で思ってしまった方はモンスタークライアントの気質があるかもしれません。
「お金を払ったのだから、こちらが気に入る物を提供するのは当たり前」と、一切制作側の意見を聞き入れない場合、モンスタークライアントだなぁ...となってしまいますね。
2.自己中心的なタイプ
悪気はないけれど(おそらく)、自己中心的な人。
平気で仕様変更を申し出てくる、こちらの予定も考えずいつでも電話してくる、無償対応してもらえる前提で何かと依頼してくる。
ハッキリと断れば理解を示してくれるが、いちいち対応するのも疲れてしまいますよね。
3.根っからの悪人タイプ
会社やフリーランスの足元を見て、高圧的な態度を取ったりハラスメントを行ってくる人。
そもそも難癖を付けて支払いを行わなかったり、連絡が途絶えたり、確信犯的な場合がこちらのタイプにあたります。
こちらは距離を取る以外に対応策が無いと思います。というか、お客様ではありません。
簡単にモンスタークライアント目線になれる方法
「一体どうしてこんな事を言うんだろう?」「何故分かってくれないのだろう?」と、モンスタークライアントを理解出来ず苦しむ事もありますよね。
モンスタークライアントに対処するにも、相手を理解しておく必要があります。
例として、美容室にたとえてみます。(分かりづらかったらすみません)
あなたは以下のようなお客さんです。
- ハイトーンのヘアカラーにしたいと思っている
- 予算は少ない
- 明確なこだわり(イメージ)を持っている
- 黒染め歴がある
どんな髪型にしましょうか?
ハイトーンでの髪型にしたいです。黒染め歴あります。予算は~10,000円までで考えています。(芸能人の○○みたいな感じの髪型にしたい!言わなくても何となく伝わるよね)
予算的にカットとワンカラーまでしかできないので、ハイトーンには出来ません。また、黒染め歴あるなら多少ムラが出来る可能性ありますが大丈夫ですか?
わかりました。出来る範囲で"イイカンジ"にしてください。(よくわかんないけど、プロなんだから満足いくようにやってくれるでしょ)
------ヘアカット&カラー完了後------
あれ、全然想像と違う...
私は芸能人の○○のような髪型を想像していたのに!しかもムラが出来てる!こんな物にお金は払えません。返金とお直し代請求します。
全部最初に言いましたし、そもそもイメージがあるなら最初に教えて頂かないと困ります。
イメージをくみ取るのがプロの仕事でしょう!完璧に思った通りにならないならお金は払えません。こんな髪型に10,000円も払いたくない!お直し代30,000円ください!訴えます!
美容室で例えてしまいましたが、大体悩みの元となるモンスタークライアントがこのようなケースが多いと感じます。
クライアント側に問題がある比率は多いのですが、受注側が未然に防ぐことも出来た事もあります。
- 「伝わって当たり前」と、イメージ共有を怠っていた
- 予算を低く見積もりすぎていた
- 自分のこだわりに合う美容室を選ぶべきだった
- 知識が乏しく、何が「普通」なのかも分からない
- そもそもクレームを入れるのではなく、諦めて新たな美容室を探すべきだった(その方が有意義)
- ヒアリングをもっと詳細に行うべきだった
- そもそも断るべきだった(相手のこだわりの強さを察知して)
- 技術力を磨くべきだった(適正なサービスを提供している場合もある)
モンスタークライアントの対処法
そもそも、「関わらない」
誰でもモンスタークライアントとは関わりたくないものですし、これができたらどんなに楽なことか!と思うかもしれません。
(現実には、途中から豹変した...というパターンもありますよね)
ただ、発注前にも、要所要所にモンスター化要素は見受けられるはずです。(そもそも会話が成り立たない・こだわりが強すぎる・何となく不快・常識やバナーの無い行為や言動など)
これらを見て見ぬふりせず、ハッキリと断る勇気を持てるようにする事が大切です。
契約書を作る
修正回数や、納品物の内容などは、事細かく契約書に記載しておき、トラブルを未然に防ぎましょう。
モンスタークライアント相手には、「言った」「言ってない」のトラブルが発生しがちです。
トラブルが起きた際には、契約書ベースで話を進めることにより納得してもらえる事もありますので、契約書を作っておくことは重要です。
言うべきことは言う。NOとハッキリと伝える!
クライアントとはいえ、人間です。こちら善意を利用してくるタイプのクライアントも居ます。
一度でも我儘を受け入れてしまうと、「都合のいい相手」と認定され食いつぶされるハメになることも。
無理なことは無理!ハッキリ言いましょう。
「○○ならできます、○○はできません。」等と、出来る事と出来ない事を明確に伝えましょう。
それでもクライアントが納得しない場合は、こちら側も納得出来ないのでプロジェクトを打ち切りましょう。
危険を察知したらプロジェクトを打ち切る
クライアントがあまりにも無理難題を押し付けてくる場合は、プロジェクトの打ち切りも視野に入れましょう。
「当初想定していた要件と大幅に異なり、このままでは○○様(クライアント)のイメージとするものを納品できない可能性があります。」と、クライアントの為にもなる事を伝え、プロジェクトを打ち切りましょう。
モンスタークライアントを相手する上での大前提
それでも、モンスタークライアントを対応するのが苦痛...という方は、以下の事を心に刻んでください。
クライアントとフリーランスは対等。
クライアントとあなた(フリーランス)はあくまでも対等であり、無理難題を押し付けられれば断る権利があります。
単純に、クライアントと友好的なお付き合いが出来ないと考えれば、バッサリ切りましょう。
フリーランスはクライアント次第で仕事の質が180°変わります。
モンスタークライアントを相手するより、より良いお付き合いのできるクライアントを探す時間に充てる方が有意義ではありませんか?
あなたが鬱になる事の方が迷惑。
考えてみてください。
あなたがモンスタークライアントを相手する事で、あなたが鬱になり、他の良心的なクライアントのお仕事にまで支障が出たら大問題です。
あなたが鬱になり何も仕事を受けられなくなることの方が、多方面に迷惑が発生しますし、新たな業者を探す手間がクライアントに発生します。ですので、「NO」をハッキリ言うという事は自分以外の人間も望んでいる事なのです。
なのでストレス貯めるくらいなら言いたいことは言っちゃいましょう。
モンスタークライアントの特徴と対処法のまとめ
いかがでしたか?現在モンスタークライアントに悩まれている方のヒントになれば幸いです。