【生成AI】生成AI広告の成功/失敗事例、ユーザーの反応まとめ

AI広告
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近年、AI生成画像の技術が発展し、手軽に利用できるようになったことで、企業から個人に至るまで幅広く活用されるようになっています。Web広告でAI生成画像を使用する企業も徐々に増えてきましたが、まだ少数にとどまっています。

本記事では、そうしたAI生成画像を使ったWeb広告に対するネットユーザーの反応や、筆者の個人的な考えをまとめてみました。

目次(Tapでジャンプ)

生成AI広告とは?

生成AI広告とは、その名のとおり、生成AIを活用して作られた広告のことです。
具体的には、生成AIを用いて生成した画像、イラスト、動画、文章などを広告クリエイティブの素材として活用したものを指します。
生成AIを活用することにより、従来の広告制作よりもコストを抑えつつ複数のパターンを短時間で作成できるため、A/Bテストにも活用でき広告効果の向上に役立つとして、企業のマーケティングの新たな選択肢として2023年頃から注目されています。

生成AI広告に対する反応

生成AI広告に対するポジティブな反応(成功事例)

  • 「新技術を取り入れている、先進的な企業だ」
  • 「AI特有の表現をエンタメとして活用している面白い広告だ」

上記のように、生成AIを活用した広告の中でもAIである事を前提にした広告は受け入れられる傾向にあると感じます。

AIであることを隠し従来の広告素材と同様に扱う事で、「フェイク」の内容であるということが強調され、かえってネガティブイメージとなる為、あくまでAIということを前提に活かした広告を作成することで、AI生成自体が話題化してる今、注目を受けたりクリエイティビティがあると評価されているポジティブな反応を得ているケースが多くあります。

URBAN HACKS 電車広告(引用元:https://nlab.itmedia.co.jp/)

URBAN HACKS

広告に使用している二人のAI生成人物画像と、それを出力する為のプロンプト(AIへの指示)が記述されており、目を引く広告となっています。

エンジニアだとちょっと目を引く

左下を見るまでAI生成とは気づかなかった

【運営会社のコメント】「URBAN HACKS」という前例のない取り組みを行う中で、同じくこれまで前例のない新たな技術や考え方にも積極的に触れていこうと、画像生成AIを使った採用広告に挑戦しました。単なるAI画像の活用だけではなく、AI生成のプロセスそのものを広告にすることで、“分かる人には分かる”クリエイティブにこだわっています。

https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2306/23/news063.html
オタ恋 SNS広告(引用元:https://nlab.itmedia.co.jp/)

オタ恋

小太りの「オタク」風な男性と女性の2ショットAI生成画像が用いられており、絵面としてとてもインパクトが高く、アプリの趣旨をよく表している広告だと話題になっています。

色々とツッコみたくなる

つい見てしまう

【運営会社のコメント】マッチングアプリは規制業種のため、出演してもらえるモデルの方がそもそも少ない。『マッチングアプリ=怪しい』とのイメージもあるので」と理由を話す。「出演いただけるモデルの方がいたとしても、ギャラが通常の5~10倍と高額になる。それならAIにしようと振り切った

https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2310/05/news179.html
近畿大学(引用元:https://www.advertimes.com/)

近畿大学

近畿大学の学生200名の顔写真を学習させ、AIで生成した「近大生っぽい学生」の写真を使用した広告です。

近畿大学や近大生のイメージを上手く表現している広告として、評価を受けています。

抽象的なイメージを上手く形にしていて凄い

おもしろい

【制作ディレクターのコメント】

「ただ面白いだけじゃなく、すごい実績を知ってもらうことが大事だと思いました。議論を重ねる中で、調査会社が出した大学イメージ調査での『近大のイメージ』の上位結果と『企業が求める学生のイメージ』の上位結果が合致する、という事実を発見。これだ!ということで、『今社会に求められる人材とは近大のイメージそのものだ』をいうメッセージをテーマに。しかしキャッチコピーは近大らしいユーモアが伝わるよう、あえて『上品な大学』というランク外だった調査結果を採用。何の話?と思ってボディコピーを読んだら、実は近大すごかった!となる構造にしました」(電通 クリエイティブディレクター 佐藤朝子氏)

https://www.advertimes.com/20230131/article410343/

生成AI広告に対するネガティブな反応(失敗事例)

  • 「現在、著作権に問題のあると言われている生成AIを使用している企業なんて、リテラシーを疑う」
  • 「実在しないモデルを使用するなんて、不誠実な企業なのではないか」
  • 「クリエイターへの正しい報酬を支払う気がない、クリエイターを軽視している企業なのではないか」
  • 「AIが生成する画像は気味が悪いので良いイメージにならない」
  • 「生成AIを使用するということは、資金力のない企業なのだろう。商品もチープに見える。」

日本マクドナルド

AIクリエイター「Kaku Drop 架空飴」による、AIで生成された美女のモーション動画が使用された食品プロモーションが、「不気味だ」として大炎上しています。

炎上の理由は、食品プロモーションにもかかわらず、動画が常に人に焦点を当てており、商品の魅力が伝わらない構成になっている点にあります。

また、「最新技術を使うこと」だけが優先され、クリエイティブの質が低く、広告としての役割を果たしていないという批判も寄せられています。

さらに、こうしたいわゆる「AI美少女」モデルが悪質なディープフェイクに利用される例も多く、それを食品と結びつけることへの不快感が多くの視聴者に広がりました。

池袋アニメーションフィルハーモニー

「残酷な天使のテーゼ」でおなじみの高橋洋子さんが出演予定だったアニソンイベント「池袋アニメーションフィルハーモニー」に、生成AIが使用されたプロモーションチラシが批判を集めました。

高橋さんは「アニメを深く愛する皆さまの気持ちを最も大事にしたいと思っております」と自身のSNSでコメントし、ファンやクリエイターの思いに寄り添う姿勢を示すと共に出演を辞退しました。

このプロモーションが炎上した理由として、本イベントは「アニソン」をテーマにしており、アニメの恩恵を受けているにも関わらず、権利の扱いに疑問のある生成AIを採用した点が問題視されています。

また、クラウドファンディングで得た資金が衣装や出演者の報酬には十分に充てられている一方で、アニメイラストには正当な報酬が支払われず、クリエイター軽視ともとれる対応が批判を呼び、大炎上しました。

生成AI広告はなぜ炎上するのか?

生成AI広告が炎上する理由①:企業が生成AIを使用する事に不信感がある

資金力のある企業が、何故AI生成を使用しているのか?「新たなテクノロジーは活用していくべき」「話題作りの為」とはいえ、ユーザーはAI生成だと分かる人がほとんどです。

AI生成を使う事で企業はコストを削減できる反面、ユーザー目線では「経営状況が悪い状況にあるのではないか」「リスクを背負いたくない、不誠実な企業なのではないか」、等のネガティブなイメージが働く可能性があります。

生成AI広告が炎上する理由②:実在しないモデルを使った広告は不信感がある

一般的にモデル起用というのは、企業の顔を背負う/背負ってもらう行為であり、互いのリスクや信頼関係の上で成り立っている物です。また、消費者も「この人が言っているなら大丈夫」等と、モデルへの信頼性から判断するケースもあります。

その際に、AI生成の人物の写真であれば、何も背負うものがない実在しない人物に、どう信頼性を感じれば良いのか分からず、結果的に企業に不信感を抱くキッカケになる可能性もあります。

※以下、Xユーザーの意見を一部抜粋

AIって分かるものは商品自体も信用出来なくなる

美容系などは特に実在する人物を使わないと、5割減くらいに信頼性が落ちる

生成AI広告が炎上する理由③:単純に"AI感"が気持ち悪く不快である

どこかしら不自然、破綻している、フェイク、虚偽という印象があり不快。
AIで作られた画像、という事ばかりに目が行き、広告の内容が頭に入らない...という場合も。

※以下、Xユーザーの意見一部抜粋

AI広告流れてくるたびブロックしてる

単純にAI生成で作られる量産の画風が気持ち悪く感じる。

"不気味の谷"現象

AI生成広告に対するネガティブな風潮

生成AIキャンセルカルチャー

AI生成広告には必ず「これ、AI生成使ってますよね?」というコメントが付いているのが見受けられます。

AI生成に嫌悪感を示す人は少なくありません。その為、AI生成広告を使用するとそういったコメントが付けられる・それを発端に、炎上のリスクや、肝心の広告の内容に注目されづらくなる可能性があります。

追記:「AI絵師が嫌いな人はいいねしてみて」といった趣旨のポストが話題に

https://x.com/innocence_SAC/status/1850747057490800900

こちらのツイートは2024年10月28日に投稿され、Xで大きな話題を呼んでいます。

一般的に「バズっている」と言われる基準は1万いいね以上ですが、このツイートはなんとその32倍にあたるいいね数を獲得しています。生成AIが登場して以来、生成AIやその利用者へ嫌悪感を示す人が少なからず存在するという事は認識されていましたが、それが初めて可視化されたポストだという事、また、その多さが話題となっています。

参考までに、2023年度のX国内「いいね」数ランキングで30位付近のツイートが32万いいねを獲得1しています。これに並ぶほど多くの注目を集めたツイートであることがわかります。

この事実から、広告等で生成AIの使用を検討する際には、受け手の反応についても慎重に考慮することが重要だと言えるでしょう。

企業のAI生成広告のまとめ

現在では、AI生成に対する著作権侵害のリスクや、嫌悪感を示す人も少なく無い事から、安易に広告利用する事はかえってリスクになりえる可能性もあると感じました。
利用するとしてもAI生成と分かる表記を行うなど、ユーザーに誤解を与えない方法で広告作成する事でマイナスなイメージは避けられると思います。

  1. 年間いいねランキング:2023年 - ついふぁん! ↩︎
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この記事の著者情報

ぷいのアバター ぷい 編集長

PUIZU編集長のぷいです。幅広い情報発信を行っています。

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