赤毛のツキノワグマが居る理由は?ヒグマとのハイブリッド?リアル赤カブト?

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秋田県に「赤褐色の大型の熊が出没」という情報が相次ぎ、本州にヒグマが生息しているのではないか?などの推察が繰り広げられています。
実際、赤毛のツキノワグマの正体は?ヒグマ?ヒグマとツキノワグマのハイブリッドなのか?等、くわしく真実を調べてみました。

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"赤毛のツキノワグマ"の出没情報が相次ぐ

秋田県鹿角市大湯で5月、クマに襲われ警察官2名を含む計3人の男性が死傷する事件が発生しました。

この事件の発生後、秋田県の猟友会に所属する男性にインタビューを行ったところ、「近年、赤毛の大型のクマが増えている」「我々の知っているツキノワグマではない」と近年のクマ事情を語ります。

「ここ5年ほどだと思うのですが、秋田側の熊取平や田代平、岩手側の四角岳、青森側の迷ケ平など、三県の境界周辺で、大型の個体の目撃例が増えてきたのです。

しかも、そのほとんどが赤毛の個体でした。

ツキノワグマは高齢になると稀に褐色の毛色になる個体もありますが、偶然にそのような個体が増えているのか、別の理由があるのかは定かではありません。
去年の秋口にも、岩魚の養殖場あたりで通常の倍ほどの大きさの個体を目撃した仲間がいました。『食糧事情が良いせいだろう』と言う人もいるのですが、先輩猟師たちの間では、大型の個体のことを隠語で『ハイブリッド』と名付けて警戒をしています。ツキノワグマとヒグマの交配だから、ハイブリッド(交雑種)ということなのです」

https://news.yahoo.co.jp/articles/210bed1f8ce66f09289130eb1e628317ce6ef2d9

この情報が、本来本州に存在するはずの無い「ヒグマ」の存在や、ヒグマとツキノワグマの交雑種のハイブリッドグマが存在するのではないか?等、地元民の不安を煽る内容となっています。

実際、本州にヒグマは存在するのか?また、ヒグマとツキノワグマのハイブリッドが存在するのか?など、くわしく解説します。

ヒグマとツキノワグマのハイブリッドは存在するのか

ヒグマとツキノワグマの交雑種を人工的に生み出す事は、理論上は可能

ヒグマとツキノワグマは、同じクマ科に属していますが、異なる種です。
その為、一般的に交雑することはほとんどありませんが、人工的な条件下では、異なる種のクマが交雑することは理論上可能です。
たとえば、動物園や研究施設での交雑実験が行われることがありますが、こうした交雑種(ハイブリッド)は通常、繁殖力が低いか、子孫が生存できないことが多いです。

その為、現状ツキノワグマとヒグマのハイブリッドが存在するというのは有り得ません

ヒグマとツキノワグマの交雑は、自然ではほとんど不可能

ヒグマとツキノワの間には遺伝的な違いや生息地の違い(北海道と本州・四国の違い)があるため、自然での交雑は非常に難しいとされています。

その為、現状ツキノワグマとヒグマのハイブリッドが存在するというのは有り得ません

ヒグマとツキノワグマの「ハイブリッド」の目撃情報の真実は?

前述のとおり、ヒグマとツキノワグマのハイブリッドが存在するというのはあり得ません。
では、ニュース記事で報道されている「赤毛の大型クマ」の正体は一体何なのでしょうか?

単純に赤毛のツキノワグマの可能性

ツキノワグマは一般的に黒色の毛をしていますが、老齢になると赤褐色の毛色の個体が増えるとも言われています。

また、人間と同様に遺伝的な要因(メラニン分布)などにより、赤毛の場合がありますし、木登りや日光に当たる事により、毛の摩耗が起き、赤く見えている可能性もあります。
このように、先天的、後天的様々な要因で赤毛の個体が出現する可能性があり、その赤毛の個体がぱっと見ヒグマの毛色に似ている為、「ヒグマとのハイブリッドなのではないか?」等の疑惑が出てしまった可能性があります。

体格の大きいツキノワグマだった

ツキノワグマの体格は、0.8〜1.5m 、70~130kg(成体)と幅広い為、偶然大きな個体であった可能性も考えられます。
もしくは、農作物の栽培や果樹園の増加、食べ残しのゴミなどにより、クマが食べられる食料が増え太ったクマになった可能性も考えられます。

赤毛のツキノワグマが出現。ヒグマとのハイブリッド?リアル赤カブト?のまとめ

このように、ヒグマとツキノワグマのハイブリッドが存在するというのは、現実的に有り得ないという結果になりました。

下記の記事で、「ヒグマは本州に渡来できるのか」「クマ牧場脱走のクマと繁殖の可能性」などさらにくわしく解説しておりますので気になる方は是非読んでみてください。

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この記事の著者情報

ぷいのアバター ぷい 編集長

PUIZU編集長のぷいです。幅広い情報発信を行っています。

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